以前にも一度ゲスト出演したこの番組に多江さんが再度出演です．まずは多江さんの紹介で，やはり映画「ぐるりのこと。」での日本アカデミー賞最優秀主演女優賞受賞とご出産の話題が出ました．
これまでに3000人以上の赤ちゃんを取り上げてきた85歳の現役ベテラン助産婦の生き様を通じて，新しい生命の誕生，母と子の命のつながりを考えるというのが今回のテーマのようです．
出産の際に切迫流産で半年以上も入院していた多江さんは色々と思うことがあったようで，助産婦さんのVTRを見て涙ぐんでいました．
母となってからさらに美しくなったような気がします．
この番組の収録日がちょうど多江さんの誕生日だったそうです．自分を生んでくれた母に改めて感謝する多江さんなのでした．
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【あらすじ】
定年退職を迎えたある銀行員(石坂浩二氏)が大金を持って姿を消した．石坂氏の妻(十朱幸代さん)も元同僚たちも，クソが付くほど真面目で地味だった石坂氏の失踪の理由がわからない．
実は意外なことに石坂氏には若い銀行員の愛人(深津絵里さん)があり，二人は深津さんの親戚でありまた幼馴染でもある女性(多江さん)とその内縁の夫(高岡蒼甫氏)を仲介役として連絡を取りつつ密かに逢瀬を重ねていたのだった．二人は石坂氏の定年退職を機に全てを捨てて駆け落ちする決心をしていた．ところが，駆け落ち当日になって急に不安になった深津さんは待ち合わせの場所に行かなかった．一方の石坂氏は待ち合わせの場所へ出かけたまま姿を消した．
そのころ，多江さんの内縁の夫は念願のスナックを開店し，多江さんもそこで働き始める．ふと，深津さんの脳裏に恐ろしい疑念がよぎる．駆け落ち資金とともに姿を消した石坂氏，その石坂氏の行き先を知っていたのは深津さん自身，そして仲介役の多江さんと内縁の夫だけ，もしかしてスナックの開店資金は……
やがて警察の捜査によって明らかになった事実は，悲しいことに深津さんの疑念が当たっていたことを示していた．
ということで，「バニラ気分!」で告知していたドラマ「駅路」の多江さんです．見た目の雰囲気的にはドラマ「積木くずし真相」でのホステス役を彷彿とさせます．多江さんの役どころは上記【あらすじ】に書いた通り．
これは石坂浩二氏の失踪から一ヶ月ほど過ぎた頃，多江さんとその内縁の夫(高岡蒼甫氏)のスナックに深津絵里さんがやって来た場面です．なぜ石坂氏と駆け落ちしなかったのかと深津さんに問う多江さん．石坂氏と深津さんの仲介役だった多江さんとしては当然の問いではありますが……
一方，深津さんは抱き始めた疑念を抑えきれなくなり，多江さんたちに疑問をぶつけます．このスナックの開店資金800万はどう工面したのか? あの駆け落ちの日に多江さんたちも不在だったらしいが，どこにいたのか?
深津さんの追及に動揺を隠せなくなってきた多江さんたちでしたが，ここで別の客が来店して会話は途切れ，深津さんは一旦店を去るのでした．
「どうして(深津さんを)引き止めなかったんだ」と内縁の夫に責められ，「引き止めてどうするの? どうするのよ!?」と泣きそうな声で反駁する多江さん．
いやもう，この二人は完全にクロですな．内縁の夫が主犯格で多江さんは彼に逆らえなかったという感じです．多江さん，どうしてこんな男とくっついてしまったのでしょうか．
やがて多江さんと内縁の夫は石坂氏殺害と現金強奪の罪で逮捕されることに．予想通りの展開ですが，とことん不幸な役ですなぁ．(^_^;
警察で取調べを受ける多江さん．
計画的犯行なんかじゃない．最初は(一途に石坂氏を思う)深津さんの気持ちがいじらしくて連絡役を買って出た．でも，内縁の夫(高岡氏)と暮らすようになってからお金に追われるようになり…… (駆け落ちの日には)石坂氏も深津さんもまとまったお金を持って出て来る．こんなチャンスは二度と無いと高岡氏に言われると，彼よりも八つ年上だという引け目もあって嫌とは言えなかった．それに，(深津さんに対する)妬みもなかったわけではない．
……そう語る多江さんの声は上ずり，手の震えは止まらず，その目からはやがて涙がこぼれるのでした．
「(深津さんは)運が強いね…… もし(駆け落ちの待ち合わせの場所に)来ていたら殺されるところだったのに……」
以上，レイによって不幸な女の役が似合う多江さんでした．「バニラ気分!」で多江さんが「今回は死なないけど，不幸度合いはかなりのもの」と語っていましたが，その言葉の意味がよくわかりました．(^_^;
それにしても，今回は女優・木村多江の力に圧倒されました．ドラマ終盤，取り調べシーンでの多江さんの演技は鬼気迫る圧倒的迫力があって実に素晴らしかったです．やっぱり多江さんは最高です．
また，ドラマ自体も丁寧に作られていて見応えがありました．定年を間近に控えた主役の刑事(役所広司氏)の人生と「昭和」の終焉を重ねた演出が実に印象的でしたし，ゴーギャンの絵，佐藤春夫の詩，アルハンブラの想い出のメロディー，下で紹介している平間至氏の写真など，様々な要素が全て効果的に組み込まれ，ドラマに彩を添えていたと思います．エンディングで昭和記録映像と共に流れた加藤登紀子さんの歌う「生きてりゃいいさ」も良かったです．いいドラマでした．
ついでと言っては何ですが，石坂浩二氏との駆け落ちにあと一歩踏み出せなかった深津絵里さんです．石坂氏との逢瀬のたびに撮影されたという設定のモノクロ写真が実に美しくて素晴らしく，鮮烈な印象を残します．
これらの写真は平間至さんという写真家の方が撮影されたものだそうです．
→ http://www.itarujet.com/
もひとつついでと言っては何ですが，北川弘美さんです．主役の刑事(役所広司氏)の娘の役で出演していました．この方もお綺麗ですなぁ．
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