今回は智花ちゃんスペシャル.過去のセクハラ被害のトラウマを乗り越え,担任教師(高橋克典氏)に対する信頼が芽生える重要エピソードでした.
ある日,教育委員会のお偉いさんが学校視察に訪れますが,その委員に出会った智花ちゃんは怯えた表情で逃げ出します.実は,そのお偉いさんはかつて中学時代の智花ちゃんの担任だったのですが,彼こそ智花ちゃんに対するセクハラ加害者だったのです.
おそらくは恐怖と嫌悪の記憶がよみがえり,情緒不安定になる智花ちゃん.我を失い,鏡を叩き割るなど尋常ではない様子.
その日,下校中の智花ちゃんの横に黒塗りの車が停止.その車中にはあの中学時代の担任が.「いきなり逃げたりしたら変に思われるじゃないか」と,セクハラの件について口止めのプレッシャーをかけてきます.
智花ちゃんの様子が気になった担任教師(高橋克典氏)は智花ちゃん宅を訪れますが,智花ちゃんはまだ担任に心を開いていません.
何か悩みでもあるのかと問う担任の高橋先生に,「家族同然に可愛がっていた猫がいなくなって心配だから探してほしい」とウソをつく智花ちゃん.それを真に受けた高橋先生は猫探しに出発.
夜になってもなお猫探しを続ける高橋先生を見た智花ちゃんは,「何探してるのよ,猫の話なんてウソに決まってるでしょ」と言い放って去ってゆきます.教師を遠ざけ関わりを絶つためについた見え透いたウソが,愚直な高橋先生相手には思い通りに作用しないのでイライラしているのでしょうか.あるいは若干芽生えた自責の念の裏返しでしょうか.
その夜,あの中学時代の担任から電話があり,再びセクハラについて口止めのプレッシャーが.怯えた智花ちゃんは,「セクハラ現場を録音したテープがある.これ以上自分に付きまとったらそのテープを警察に渡す.」とウソで脅して逃れようとします.が,このウソがさらに事態を悪化させることに.
やはり智花ちゃんの様子が気になる高橋先生は,翌日も再度の家庭訪問.しかし,智花ちゃんは「ほっといてよ」と相変わらず高橋先生を拒絶.
その直後,自宅に足を踏み入れた智花ちゃんは怯えて立ちすくみます.異変に気付いた高橋先生が智花ちゃん宅に入ってみると,屋内が何者かに荒らされて滅茶苦茶になっていました.慌てて警察を呼ぼうとする高橋先生を智花ちゃんが必死で止めます.昨晩の電話で言った「テープ」を,あの中学時代の担任(あるいはその仲間)が奪いに来たことは明らかです.この件が警察沙汰になれば自分がセクハラを受けたことも白日の下に晒される.この時点の智花ちゃんにとって,それは耐え難いことだったのでしょう.
智花ちゃんの両親が旅行で不在であることを聞いた高橋先生は,この状況下,智花ちゃん独りで一夜を過ごすのは危険だと判断.高橋先生宅に来るように言います.しかし,智花ちゃんはなおも高橋先生を拒絶,不安に震えながらも自宅にとどまります.
その夜,「探し物(テープ)が見つかるまで何度でも伺いますよ」という不気味な電話がかかってきます.恐怖でパニックになった智花ちゃんは助けを求めて級友に電話をかけます.
ここがひとつの重要なポイントでしたね.智花ちゃんは最近のデートで一緒にスケートをした少年(中学時代の同級生)に電話をかけようとしたのですが,慌てていたため手元が狂い,このところ疎遠になっていた幼馴染の少年に電話をかけてしまったのです.
智花ちゃんの異変を察知した幼馴染の少年が智花ちゃん宅に駆けつけます.不安に怯え助けを求めるような智花ちゃんの瞳を見た少年は,思わず智花ちゃんを抱きしめてしまい……
このシーンの智花ちゃんの表情,演技がたまりません.
しばしの抱擁の後,ちょっと気まずい雰囲気.一方,担任の高橋先生から連絡を受け,少し遅れてやって来た智花ちゃんの中学時代の同級生(智花ちゃんがもともと電話をかけようとしていた相手)は,この一連の抱擁シーンを目撃してしまいます.いやぁ,この三角関係,どうなるのやら.(^_^;
少年達の説得もあり,智花ちゃんは高橋先生宅で一晩を過ごすことに.
翌朝,智花ちゃんは高橋先生の部屋でクラスメイトの名前が書かれたノートの山を発見.それはクラスの生徒一人一人について詳細に記録された日誌でした.
個人的には,ここで智花ちゃんの心の中に高橋先生に対する信頼が芽生えるかもと思ったのですが,そう甘くはありませんでした(^_^;).教師に対する不信と嫌悪は相当根が深いようです.智花ちゃんは用意された朝食も取らずに高橋先生宅を辞します.
どうしても智花ちゃんのことが心配な高橋先生は,この日も懲りずに家庭訪問.ところが,そのとき智花ちゃん宅は大変なことになっていました.ヤクザ者3人が押し入り,智花ちゃんを脅しつつ屋内を物色してレイの「テープ」を探していたのです.高橋先生は智花ちゃんを助けようと飛び込みますが,ヤクザは高橋先生に拳銃を突きつけて動きを封じます.あまりの事態に恐れおののいた智花ちゃんは,「テープ」など最初から存在しないことを告白し,これを聞いたヤクザは立ち去ります.
しかしまあ,教育委員会の先生がヤクザを使うというのもすごい設定ですな.もともとただの中学教師なのに,なんでそんなツテがあるんだか.かつての同級生に道を踏み外したヤツがいたんだろうか.
「いったい何が起こっているのか,何を独りで抱え込んでいるのか,何故助けを求めないのか,俺は何だってするから信じて話してくれ」と必死の説得をする高橋先生.しかし,あまりの恐怖に震えながら,なおも堅く口を閉ざしたままの智花ちゃん.
その夜,眠りもせず沈思黙考の智花ちゃん,何を思っているのでしょうか.拳銃を突きつけられても自分を守ろうとした高橋先生を信じてみようという気持ちが芽生えているのでしょうか.
翌日,ついに智花ちゃんは高橋先生を信じて,全てを話す決心をします.
泣きながら中学時代の担任によるセクハラのことを話します.(T_T)
この件に決着をつけないと前に進めないという智花ちゃん.高橋先生と一緒に教育委員会へ殴り込みに.いざ中学時代の担任を目の前にすると,一瞬ひるんでいた智花ちゃんですが……
中学時代の担任を見据えてセクハラを告発.高橋先生は謝罪を要求しますが,中学時代の担任はシラをきり,言い逃れをするばかり.業を煮やした高橋先生は辞職覚悟で鉄拳を一発叩き込み,警察に連行されてしまいます.
警察に連行される高橋先生を見守る智花ちゃん.さて次回はもう最終回,高橋先生はどうなってしまうのか,智花ちゃんを巡る三角関係はどうなるのか,ちゃんと話はまとまるのか.
何にせよ,今回は智花ちゃん満載でおなかいっぱいです.強いて不満な点を挙げれば,セクハラ絡みの重いエピソードゆえ,智花ちゃんの笑顔が全く見られなかったということでしょうか.次回は必ず輝く笑顔が見られるものと期待しています.
サヨナラは自分から言う.智花ちゃんの幼馴染の少年の心がもう自分の方に向いていないことを悟り,潔く身を引く本日の彩名嬢.こんなにあっさり関係を解消するとはちょっと意外でした.もう少し食い下がるかと思った.
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