スナックを辞めた多江さんは,下宿屋「笹乃館」女主人の世話で不動産屋の電話番として働くことに.多江さんが仕事に出ている間,智花ちゃんたちが交代で多江さんの息子の子守をすることになります.
そんな折,多江さんは智花ちゃんの「ガラスのリンゴ」を誤って割ってしまいます.子守をしてもらう上にリンゴを割ってしまい,智花ちゃんに迷惑をかけてばかりだと申し訳なく思う多江さん.
一方,亡夫の霊に再度会いたいと願う多江さんは,これまでに何度か亡夫が憑依した「笹乃館」住人の男性に夕食や弁当を差し入れるなどして,何かとその男性のそばに居ようとする日々が続きます.
ある日,多江さんは智花ちゃんを誘ってガラス工房を訪れます.先日割ってしまった智花ちゃんの「ガラスのリンゴ」の破片を溶かしてリンゴを再生できないか,それが無理なら新たに同じようなガラスのリンゴを作ってもらえないかと,多江さんはガラス職人に頼み込みます.
相変わらず「笹乃館」住人の男性に弁当を差し入れていた多江さんでしたが,その様子を見かねた亡夫の霊がその男性に憑依して現れます.「俺に会いたいがために他人の生活に干渉するな,俺に頼らずに強くなれ,必ず見守っているから」と諭す亡夫の霊の言葉に,自分の振る舞いを反省する多江さんなのでした.
亡夫の霊に諭されるシーン,桜の花をバックにした多江さんが切なくも美しく,最高でした.亡夫への想いが強すぎるゆえ新たな一歩を踏み出せない感があった多江さん,今回の件で気持ちの整理が付いたでしょうか?
本日の智花:
多江さんと同様,「笹乃館」女主人の口利きで働き口を得た智花ちゃん.しかし,自分は朝早くから遠くの市場へ行って雑役に使われるのに対して,多江さんは不動産屋の電話番という軽労働.しかも市場から帰ってきたら,午後は多江さんの息子の子守をしなければならないとあって,なんだか多江さんばかりが贔屓されているように感じ,智花ちゃんはちょっと不満です.
そんな折,自分を捨てた母親からもらった唯一のプレゼントである「ガラスのリンゴ」を多江さんが誤って割ってしまいます.母と娘の絆を確かめられる唯一の「モノ」が壊れてしまい,ショックを隠せない智花ちゃん.
さて,遠くの市場へ働きに行くことになった智花ちゃんのため,「笹乃館」の隣のおばさんが古い自転車を貸してくれました.ところが,その自転車のペダルをこぐと,なぜか女性の歌声が聞こえてきます.自転車が歌っているとしか思えないのですが,その歌声が聞こえるのは智花ちゃんだけのようです.やがて,その歌はかつて隣のおばさんが一人息子を自転車の後ろに乗せて出かけるときによく歌っていた子守唄だということが判明します.
自転車の歌声にも慣れてきた(笑)ある日,智花ちゃんを乗せたまま自転車が暴走を始めます.暴走自転車は駅に降り立ったある男性の前でぴたりと止まりました.なんと,その男性こそは隣のおばさんの一人息子,かつてその自転車の後ろに乗せられ,子守唄を聞かされていた人だったのです.留学のため家を出て以来,一度も帰省したことが無かったその一人息子を,隣のおばさんは号泣して迎えます.永らく離れていても変わらぬ絆で結ばれた母子の様子を見つめる智花ちゃんは,何を想っていたのでしょうか.
その後,智花ちゃんは隣のおばさんの息子から自転車を譲り受けます.智花ちゃんは自分のものになったその自転車をこいでみましたが,もう歌声は聞こえませんでした.「笹乃館」住人の男性の手によって再整備される自転車を見つめていた智花ちゃんに,レイの差出人不明のメールが届きます.「てるてるあした.おもいではこわれない.」と.翌日,智花ちゃんはガラス工房を訪れ,多江さんが発注していた新しいガラスのリンゴをキャンセルし,割れてしまったガラスのリンゴの破片は溶かして別のものに利用してほしいと頼むのでした.
いやー,今回も良かった.隣のおばさんの息子を想う気持ちが自転車に歌わせていたんでしょうね.その想いが満たされ,母子の絆が再確認された今,もう自転車が歌うことはないのでしょう.大切にされた「モノ」にはその持ち主の想いが宿る.そして,仮にその「モノ」が壊れたり,形を変えたり,所有者が変わったりしたとしても,その想いが消え去ることはない.そんな風に感じました.しかし,こんなに早く「ガラスのリンゴ」が壊れてしまうとは,少々意外でした.
本日のあい:
智花ちゃんのために,近所の先輩から高校の教科書を貰ってきてくれた高部あい嬢.ええ娘や.
番組ラストに流れた,原作本視聴者プレゼントの告知.ドラマ本編とは全く違う多江さん&智花ちゃんのノリがなんか可笑しかった.(笑)
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