てるてるあした #2 [TV朝日系]
2006/04/21
前回ラストの続き．「笹乃館」住人の男性に憑依して出現した多江さんの亡夫の霊が，やがて去って行きます．それを見送る多江さん．どうやら，亡夫の霊はこれからも多江さんを支えるために何度も出てきそうな感じ．
やがて多江さんにも新しい友達ができ，笑顔が戻り始めたその時，再び厄介な事態が発生．多江さんの亡夫の実家に雇われた弁護士が，一人息子を養子として引き取る交渉にやって来たのです．しかし，多江さんは息子を手放す気はありません．これがその後の「誘拐騒動」の発端となります．
多江さんの息子が，子供の誘拐と身代金要求を示唆する脅迫状を拾ってきたことから，「笹乃館」住人一同は騒然となります．素人推理の結果，多江さんの新しい友人の娘が誘拐された可能性が高いという結論に達し，多江さん達はその友人を探し回ります．
そのとき，多江さんの亡夫の霊が再び出現，「笹乃館」のみんなは誘拐騒動について勘違いしていると多江さんに伝えます．
実はこの誘拐騒動は，多江さんの亡夫の実家に雇われた弁護士が多江さんの息子を奪うために仕組んだものであり，多江さんの新しい友人は経済的困窮からその弁護士の企みに協力していたのです．結局，誘拐未遂・失敗に終わったこの企みについて，多江さんの友人は全てを告白して謝罪しますが，多江さんはその友人を責める気にはならないのでした．
その直後，多江さんの息子の姿が見えなくなります．もしや誘拐計画の失敗を悟った弁護士が直接行動に出て息子をさらったのかとパニックになる多江さん．やがて，多江さんの息子は一人で公園で遊んでいるところを発見され，みんなホッと胸を撫で下ろしたのでした．
多江さんの演じる役は，夫を失った悲しみを背負いつつも，おっとりしてお人好しで，どこか危なっかしく儚い印象を与えるキャラクターです．その一方で，一人息子のことになると一途に必死に突っ走るところがあります．多江さんはこういう役が本当に似合いますねぇ．
本日の智花：
壊れた目覚まし時計を直してもらうため，町のリサイクルショップを訪れた智花ちゃん．その修理が終わるまでの代替として古ぼけた時計を借りたのですが，なんとその時計は3回だけ時間を過去に巻き戻せる不思議な時計だったのです．不用意に時間を1回巻き戻してしまった智花ちゃんは，驚くと同時に残る2回をどう使うか悩みます．両親が借金を抱え込む前まで時間を巻き戻せば不幸な境遇も解消するのだろうか?
しかし，風に飛ばされた千円札一枚を取り戻すためにもう1回時間を巻き戻してしまい(笑)，残りは1回だけに．そんな折，上述の誘拐騒動が発生．多江さんの息子が姿を消して多江さんがパニックになっているとき，智花ちゃんは多江さんの息子を取り戻すために「最後の1回」を使うかどうか迷います．結局，迷っているうちに多江さんの息子は見つかり，時間を巻き戻す必要はなかったのですが，こんな重大なときに「最後の1回」を使うことを躊躇したことに対して智花ちゃんは自責の念に苛まれるのでした．
そんな智花ちゃんのもとへ届く差出人不明のメール．「てるてるあした」で始まるこのメールはいったい何なのでしょう．
いやぁ，今回の話はよくできていました．母親に半ば捨てられた状態の智花ちゃんと，一方，愛する息子のために必死になる多江さんや，愛する娘のためなら悪事にも手を貸した多江さんの友人．この対照的な両者のあり方を「時間を巻き戻せる時計」と「誘拐騒動」とをうまく絡めて描きつつ，それによって母親の愛を受けることが少なかった智花ちゃんの孤独と寂しい心境を浮かび上がらせ，ラストのガラスのリンゴ(後述)・智花ちゃんの涙へと収斂します．4コママンガより長いストーリーを考えることができない自分としては，ただもう感心するばかりです．(^_^;
そういえば，智花ちゃんがリサイクルショップを訪れたとき，店内に流れていた音楽が天地真理さんの「♪ひとりじゃないの」でした．ずいぶん懐かしい曲を使うなぁと不思議に思ったのですが，これも智花ちゃんの孤独，寂しさを浮かび上がらせるための選曲だったのかも．
本日の麻由子：
今回はラスト近くでちょっとだけ登場．智花ちゃんがこれまでに母親からもらった唯一のプレゼントであるガラスのリンゴを，そしてその想い出を切なく語る智花ちゃんを，無言で見つめていました．このガラスのリンゴ，OPにも登場します．この物語のキーアイテムなのかも知れません．
智花ちゃんがこの町にやって来てから，何かとよく出会うこの女子高生．どこかで見たことがある顔だと思ったら，「ガチバカ!」で智花ちゃんと同じクラスだった高部あい嬢じゃありませんか．
「雨と夢のあとに」を意識したお遊びシーンが今回もありました．町の食堂や商店など，あちこちに沢村一樹氏のポスターが(笑)．どうやら，沢村氏はこの町出身の有名人という設定のようです．
